コトパクシ・チンボラソ登山を終えて(2008年8月6日〜18日)

旅行を終えて

 計画を考え始めた5月初めは、まだまだ行けるかどうか、また行っても登れるかどうか全く予想がつかなかった。見切り発車で行こうと決めて、準備をしている間にいろいろなことがわかってきたような気がする。以下にそのまとめを。

登山の日程

1.今回も個人手配旅行とし、航空券は日本で手配し、現地手配はインターネットで見つけた現地手配会社のナウタルーツにお願いした。
2.コトパクシ・チンボラソ登山の計画を立てるにあたり、各社の山旅ツアーやインターネットから登頂記等を参考にさせていただいた。私が見たのはすべて、キトに滞在して4000m級の山を登りながら高度順化をはかり、コトパクシ、チンボラソに登るという行程だった。日本発着コトパクシのみの登山で11日間、チンボラソを含むと15日間がだいたいの所要日数。私たちは、コトパクシ登山をメインにしてチンボラソは小屋まで行くだけにした。コトパクシ登頂もあやしいのにチンボラソまではとても無理と判断したのである。
 また、日本からエクアドルは長旅であること、キトも2850mの高地であること、息子と現地で合流することを考え、少し日程に余裕を持たせるため、キト到着の翌日は完全休養日にした。前年のキリマンジャロの経験から、少し余裕を持たせたほうが、トラブルがあっても対処しやすいと考えたのである。登山後の休養日も含め日本発着13日間の日程で、まずはデルタ航空を予約した。
 ところが現地の旅行会社のIさんとメールでやり取りしている間に、北部のオタバロに行っていくつか山に登り、キトから南部に移ってコトパクシを目指すという行程を提案していただいた。民族色豊かなオタバロという場所に行ってみたかったこと、この行程で経験が浅い人でもコトパクシに登った人が多くいるとの説明があり、オタバロ行きを含む案に変更した。また天候が悪くて登れないときは、観光を減らし、コトパクシの予備日にすることにした。結果的にこの行程に変更したことが、夫と息子がコトパクシとチンボラソの両方に登頂できた要因だと思う。私はどちらにも登頂できなかったが、三人とも高度順化は非常にうまく行った。3000mの山から登り始めて、少しずつ高度を上げ、4000m峰を2座、5000m峰を1座登って、コトパクシに臨んだ。夜は2000m〜3000m台の場所に高度を下げ、テントではなくホテルまたは小屋でよく食べよく寝て休養がとれた。体調がよく、山の雪の状態もよかったので、予備日を変更して見に行くだけのつもりだったチンボラソまで登ることができた。また初めから両方登る計画であれば、コトパクシはより高いチンボラソのステップと考えて無理をせず、コトパクシにも登れなかったかもしれない。今回は天候、雪の状態、体調、日程がうまくかみあったということだろう。
 オタバロでは、山だけでなく、うまく曜日が合って土曜マーケットにも行け、都会のキトとは違う民族色豊かな街に触れることができたことも、収穫だった。
3.今回、経験も力量もない私たちが登山を楽しめたのは、ひとえにガイドのハイメさんの力量に負うところが大である。ドライバー兼コック兼登山・観光ガイドとして八面六臂の活躍だった。感謝!ちなみに彼の一押しの山はアンティサーナ(5753m)エクアドル第4番目の高さだが、コトパクシ、チンボラソより難しいそうだ。
4.エクアドルといえばガラパゴス、でもエクアドルには5000m以上の山が少なくとも9座ある。キトから近く、アプローチも短いため高度順化さえうまくいけば、5000mの小屋にも簡単に行ける。すぐ低いところに降りられるので体へのダメージも少ない。物価もそんなに高くないので山好きの人には楽しい場所のひとつだと思う。

ホテルなど

1.キトでは、最高級ホテルのスイソテルに滞在した。これは大正解だった。便利な場所にあって朝食がおいしいこと、熱いお湯がたっぷり出て、ジャグジーまであって山の疲れが取れたこと、ゆっくりと休養ができたのが何よりだった。スタッフも親切だった。金額も4泊で中級ホテルとの差額はひとり約300ドル以内。
2.タンボパクシの小屋は食事だけに来るという人もいるそうで、眺めもよく食事もおいしかった。
3.初めての南米、エクアドルは夫と息子がコトパクシ、チンボラソの両方に登頂に成功したこともあって、とても印象がよかった。キトは赤道直下にありながら高地であるため、一年中春のような気候(私には日本の秋のように思えたが)で、8月の猛暑の日本から行くと非常に快適だった。食べ物も薄味で食べ飽きず、特に果物のおいしさとフレッシュジュースのおいしさ、安さは特筆物。
4.エクアドルの通貨はドル。ATMで簡単に引き出すことができる。

最後に

1.現地旅行会社ナウタルーツのIさんにも大変お世話になった。メールでいつも迅速丁寧に対応してくれて、有益な助言をいただいた。日本女性のすばらしさをあらためて感じた。

ガイドブック以外に読んでいった本

エクアドルを知るための60章 エリア・スタディーズ

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