荒川三山・赤石岳・聖岳縦走[2010年8月1日〜4日]

ルート/タイム

7月31日(土)

15:10家出発−19:00静岡ホテル着−20:10就寝

8月1日(日)

3:30起床−朝食−4:15ホテル発−6:30畑薙第一ダム手前夏期駐車場着−7:25東海フォレストバス発−8:25さわら島ロッジ8:40−10:12樺段10:20−12:00蕨段12:10−13:10休憩−14:00千枚小屋〜16:15夕食〜18:00就寝

8月2日(月)

3:30起床−4:00朝食−4:25千枚小屋発−5:10千枚岳−6:10丸山−6:30荒川東岳−7:30中岳避難小屋−8:40荒川小屋−9:10大聖寺平−10:35小赤石岳−11:30赤石岳12:05−13:10百間平手前−14:00百間洞山の家〜17:15夕食−19:00就寝

8月3日(火)

4:00起床−4:30朝食−5:10百間洞山の家発−8:00兎岳−9:35休憩−10:00聖岳10:20−11:30薊畑−11:42聖平小屋分岐−13:25南岳−14:00上河内岳分岐−15:00茶臼小屋分岐−15:10茶臼小屋着〜16:30夕食〜19:00就寝

8月4日(水)

4:00起床−4:30朝食−4:43茶臼小屋発−5:37横窪沢小屋−8:15畑薙大吊橋−9:00ゲート(車に乗せてもらう)−9:16駐車場

出発まで

 連日、暑い日が続く今夏は、家庭の事情により日本の山に行くことにした。車が使え、まだ登ったことのない山ということで、南アルプス荒川岳赤石岳聖岳を縦走することに決めた。できれば光岳も行ければとさわら島から登るルートを選択。出発から1週間もなかった。ビジネスホテルの予約、何度かルートの確認をして出発。

7月31日(土)

 夫の仕事が終わるのを待ち自宅を出る。予定より2時間早く出発できた。明日畑薙第一ダム8時発の東海フォレストのバスに乗るため、静岡のビジネスホテルに前泊することに。今日深夜に自宅を出てそのままバスに乗る案も考えたが、高速道路の時間が読めないのと、睡眠不足は後の行程に影響するということで静岡前泊を選んだ。夕食は車中でお弁当、予想より早くホテルに到着し一安心。明日の朝食のおにぎりを買い、ガソリンを入れ就寝。ホテルは古いが部屋は広く、まるでワンルームマンションの一室のようだ。二人で8000円なので、文句は言えない。

8月1日(日)

 8:00発のバスに間に合わせるため、ホテルを4時過ぎに出発。細い道が続く。山深いところだ。途中寝ていてあまり景色を見ているまもなく、6:30にはダム手前の夏期駐車場に到着。すでに40台以上の車が駐車している。少し早すぎるかなと思っていたら、6:45にはバスが到着した。人数が揃えば7:00に出発とのこと。大急ぎで準備する。最後に乗り込んだが、バスはいっぱいで補助席。ところが満員に二人足りないということで、ダムのところで引き返す。ようやく車で来た二人組を見つけ、7:25に再度出発。聖岳登山口で数名が下車したが、ほとんどはさわら島まで行く。8:25さわら島到着。広々としたきれいなところだ。みんな淡々と準備をし出発していく。

準備をし、出発する。樹林帯を歩いているうちに滝のような汗が流れる。暑いのだ。半袖になるが、それでも暑くてたまらない。緩やかな登りなのに、ピッチが上がらずあせる。コースタイムを大幅に縮めて、今日は荒川小屋まで行こうかという目論見は、途中で断念。久しぶりの山行と暑いのとで、頭痛までしてくる始末。何とか千枚小屋までたどり着く。よく考えるとコースタイムよりは早いのだが、今日はこれ以上進む元気がなく、指定された小屋まで行き休むことにする。昨夏の火事により素泊まり用ロッジに寝ることに。ところが、ここでまたトラブル。指定された場所は、既に定員8人のグループがおり、私たちの寝具もない。何とか割り込ませてもらい、隅のほうに小さくなって横になる。眠くてたまらない。うとうとしている間に、後続の人たちが来て、私たちは隣の広い場所に寝られることになった。
 可憐なクルマユリ

ロッジの周りはお花畑で、きれいなのだが歩き回る元気もなく、夕食まで横になっていた。頭痛は治まったが、第一回目4:15の夕食を食べ、すぐ寝ることにする。深夜12時頃、暑くて目が覚める。人いきれで暑いのか。

8月2日(月)

 4:00から朝食ということで、3:30から起きて準備する。周りも起きだす。話し声が耳につく。もう少し静かにできないものかと思うが、仕方がないのだろうか。荷物を持ち朝食の場所に。みんな食べるのが早い。食欲はある。昨日は頭が痛く、どうなることかと心配だったが、これなら大丈夫そうだ。すぐに出発。まだ薄暗い。千枚岳の手前で先行グループを追い越す。

イワギキョウがきれいだ。

ゆっくりだが休憩をあまり取らず進む。昨日の暑さに懲りて、水分だけはしっかり補給する。
丸山岳

荒川東岳(悪沢岳)

中岳避難小屋で小休止し、どら焼きを食べる。


 荒川小屋に向かう途中ですばらしいお花畑が広がる。

夏のアルプスは暑いが、お花畑を見ると来てよかったと思う。荒川小屋に到着する。しばし休憩。

昨日の出発時間、ペースでは昨日中にここまで来るのは絶対無理だった。きれいな小屋で泊まれないのは残念だけれども。
赤石岳到着

赤石岳の手前に赤石小屋へ下る道との分岐がある。途中で一緒だった新潟からのグループや京都の単独行の人たちは、ここに荷物を置き赤石岳ピストンだ。ようやく赤石岳だが、ガスで周りがよく見えない。

直下の赤石岳避難小屋。ガスが晴れてくっきり見える。今日は団体の予約が入り満員予想。

 小休止後、百間洞へ向かう。大きく下る。本当に南アルプスはアップダウンが激しい。こんなに下らなくてもとつい思ってしまう。途中で単独行の女性に追い抜かれ、ようやく百間洞山の家に到着。沢筋にあるかわいらしい小屋だ。トイレも中にあり居心地がよさそう。

汗をいっぱいかいて体がべたべたなので、タオルで体を拭き、衣類も水洗いする。冷たくてなかなかしぼれないくらい。ここの小屋は揚げたてのとんかつが有名だそうだ。これは期待にたがわずおいしかった。単独行の福岡の女性と同じ区画になり、荷物の整理、手際のよさに感心する。彼女は自炊である。
 食事後、早々に寝てしまうが、10時ごろ雨音で目が覚める。まさか...。ここも寝ていると暑いぐらい。

8月3日(日)

 朝から小雨。朝食をとっている間にほぼやんだので出発する。あまり天気が悪いときは聖平小屋から下山しようかと話しながら進む。途中でまた雨が降り出し、雨具を着て進む。兎岳到着

兎岳避難小屋の近くにお花畑があると聞いたのだが、これも見に行かず、ひたすら下を向いて歩く。聖岳の手前で昼食のパンを食べ、ようやく聖岳到着。

何も見えないが。まだ10:00。この時間なら今日中にさわら島まで下山も可能だ。雨がやんだので雨具を脱いで、どうするか検討していると、近くにいた女性から茶臼小屋まで行ったらどうかと提案される。登山前に考えていた行程だ。せっかくだからと先に到着していた福岡の女性Sさんも誘い、茶臼小屋まで行くことを決定。先は長いががんばることにする。急な下りをおり、薊畑へ。便ヶ島へ下る道との分岐だ。アザミはまだ咲いておらず、マルバダケブキの黄色い花ばかりが目立つ。

聖平小屋の前で一服し、また登り。だんだん天候がよくなってくる。南岳への登りはきついがお花がきれいだ。

上河内岳はパスしてひたすら茶臼小屋を目指す。ようやく晴れてきて雄大な景色が見える。今回初めてか。


ようやく茶臼岳分岐。


冷たい水で体を拭き、着替える。これでさっぱりした。
夕食は、おさしみ。ゼリーまでついていて小屋の食事に大満足。向かいに座った年配のご夫婦は今日、光岳をピストンし明日下山とのこと。朝食後すぐ下山すればバスに間に合うとのことで私たちも明日は朝食後すぐ下山を決める。まだ時間が早いので、水場で関西から来たツアーの人たちと話す。定年後の世代の方が多く、時間を気にせず山三昧のよう。富士山がきれいに見える。

8月3日(火) 晴れ

 今回、一番の好天。夜明けの富士山がよく見える。

 朝食をすませ、井川のバス、大吊橋9時27分に間に合うように、暗いうちに出発。大急ぎで駆け下りる。横窪沢小屋まで1時間弱で到着。夏休みの野外活動の少年少女でにぎわっている。小屋の人からお茶をご馳走になる。バスの時間には十分間に合うとのことで、ここからはゆっくり下りる。途中は水が流れ、何本か吊橋を渡る。すばらしい景色。水量は多く怖いぐらい。バスの時間までまだ間があるのでヤレヤレ峠の手前でしばし休憩。

最後の吊橋は長く(181.7m)、真ん中辺りでは怖かった。結局バスの時間まで1時間以上あるので、待ちきれず歩いて行く。途中で車に乗せてもらいラッキーだった(この方は写真を取りに来ていて百間平のところで休憩中に話した男性)。
 白樺荘は10時から入浴だが早めに入れてくれる。温泉に入り、さっぱりした。昼食を食べ、福岡のSさんを静岡駅に送り、帰途へ。

感想

 久しぶりの日本の夏山が、こんなに暑いとは..誤算だった。おまけに5月の富士山以来、六甲山にも1度行ったきりでトレーニング不足でもあった。特に初日はなかなかペースが上がらず、苦戦した。翌日から、曇り気味だったことと水分補給に努めたおかげで、やや持ち直したが、それでもアップダウンの激しい南アルプスは時間がかかった。やはりトレーニングを怠ると体力も落ちるということか。そんな中で、お花畑がきれいだったのが救い。家にもこんなお花が咲いたらとうらやましい。ただ、鹿の食害がすすみ鹿の好きな植物はどんどん減っていっているらしい。マルバダケブキが目立つと思っていたら、これは鹿がきらいで食べないんだとか。
 稜線に出てからは、ほとんど曇りか雨で視界が悪く景色を見られなかったのが残念だったが、聖平から南岳、茶臼小屋へ向かうとき、ようやく晴れて先まで見通せた。広々として、人が少ないのがまたよかった。
 南アルプスは、経験者が多いようで、タフな人が多く、また夏休みのせいか日程も多めにとって縦走する人が多いようだった。山の奥深さ、水の豊富さを感じる山行だった。
 もう少し早く出発できれば、温泉のある白樺荘前泊もありだったと思うが、短い準備期間では精一杯だった。