ブータン・北京旅行(2011年4月28日〜5月8日)

日程

4月28日(木) 関空13:50(中国国際航空)−16:00北京19:35−23:40バンコク
      ノボテル泊(3時間)
 29日(金) ノボテルH3:50−4:00バンコク6:50(ドゥルックエアー)−ダッカ
      経由−9:50ブータン・パロ空港−市内観光−5:00ハ
                     リスム・リゾート泊
30日(土) ハ8:10−ジャンガハパン トレッキング   テント泊
5月 1日(日) テント−サガラパン(3590m)−サガラ峠(3800m)−ドゥゲ・ゾン
      ドゥゲ・ゾン見学−パロ    オラタンホテル泊
  2日(月) パロ−タクツァン僧院−キチュラン寺院−ティンプー
                     ワンチュクホテル泊
  3日(火) ティンプー観光        ワンチュクホテル泊
  4日(水) ティンプー7:00−8:10パロ10:50(ドゥルックエアー)−13:20
      バンコク ベストウエスタンホテル泊(7時間)22:00−22:15
      バンコク空港
  5日(木) バンコク1:00−6:30北京 市内観光 ニューオータニ北京泊
  6日(金) 盧溝橋、周口店、八達嶺長城 京劇観劇 ニューオータニ北京泊
  7日(土) 金山嶺長城 雑技           ニューオータニ北京泊
  8日(日) ホテル6:00−6:40北京空港8:40−12:40関空

出発まで

 大学のクラブのOB会のお誘いで、ゴールデンウィークブータンに行くことになった。2月に申し込み、バンコク集合となったが連休のためバンコクまでの直行便が一人約15万円(税燃油代込み)と非常に高く、思案の末北京経由便を選び帰路北京で3泊することにした(価格の割り増しなし)。その後、東北で大震災があり、落ち着かない日々だったが予定通り旅行はおこなわれることになった。ブータンの手配はすべてOB会の方がしてくださり、私たちは個人装備を準備し行くだけだった。バンコクの空港でトランジットする予定にしていたが、荷物が届くかどうか心配だったので、バンコクで荷物を受け取りタイに入国することにし、仮眠を取るため急遽3日前にノボテルを予約。また、北京のホテルは到着が朝、出発も早朝ということを考え、日本語が話せるスタッフのいるニューオータニをインターネットで予約した。

4月28日(木)

 ブータン到着まで長丁場の日が始まる。久しぶりに長めの海外旅行。初めてOB会の諸先輩との旅行だが、とにかくバンコクの空港までスムーズに行くことを願って出発。北京までは3時間と近いが北京での待ち時間が3時間半。初めての北京の空港は広く、乗り継ぎもチェックがかなり厳重だ。できるだけ休養をとるため、免税品店を見るのもそこそこに(あまりたいしたものはなかった)、まだ時間が早く空いているのを幸い椅子に横になって休む。暗くなってからバンコク行きに搭乗。ほぼ満席。人の席に平気で座っている人がいるのにあきれる。フライトアテンダントも客の顔を見ないで、機械的に食事サービスをおこなう。パンなんかはポーンと放り投げんばかり。サービスはまだまだ。

4月29日(金)

 深夜バンコク到着。荷物を受け取り、ホテルのシャトルバスが待つ場所へ。5分ぐらいでホテル到着。立派なホテルで1時から4時までわずか3時間の仮眠にはもったいないが休養第一。少し早めに起き4:00には空港到着。ドゥルックエアーの搭乗カウンターにはすでに先輩グループが到着。早い。挨拶をし搭乗手続き。首尾よくヒマラヤが見える窓側の席を確保する。空港内でお茶を飲み搭乗を待つ。
 ドゥルックエアーは110人乗り(片側3列シート)の小さな飛行機。フライトアテンダントの制服が民族服のキラをアレンジしたもので品がよく、また物腰も中国国際航空アテンダントさんとは違い、柔らかく、きちんと相手に顔を向けて対応する。食事を食べている間にダッカ到着。ダッカからはまた軽食が出て、あわただしく入国書類を書いたり山を見たり。遠くに高い山が見えた。勝手にエベレストと思っておく。
 山と山の間の狭い谷間のパロ空港に到着。降りた途端に伝統様式の空港施設と山に囲まれた景色に目を奪われる。遠くにポツポツと民家が見え、田園地帯が広がる。思ったより暑い。インドの大学に研究留学中のKさんが迎えに来てくれていて、教えてもらって機械で直接ブータンのお金を出す。非常に便利。総勢22人と大勢なのでバス2台に分乗。日本語ガイドと英語ガイド。二人とも民族服ゴを着ている。私たちは人数合わせのため英語ガイドのほうに乗る。
男性の民族服、ゴ

まず、国立博物館、パロ・ゾン見学。

パロ・ゾンからパロのまちを望む

昼食は市内のレストラン。早くもビールが出る。食事はビュッフェ形式(これからずっとそうだった)、赤米、野菜のチーズ煮、魚(魚を食べたのはこのときだけ)。みんなよく食べる。

国技の弓を見学。ともかく的まで約150mと的がよく見えないぐらい遠い。こんなに遠くて当たるのかと思っていたが、当たる。当たらないまでも近くに刺さる。二手に分かれてゲームをしているが、相手側が的のすぐそばにいるので、当たるんじゃないかと心配。
 その後は、ハに向けて出発。曲がりくねった山道だが舗装されているので、案外乗り心地はいい。その上桜草が群生していたり、真っ赤な石楠花が見えたりするので飽きない。富士山より高いチェレ・ラ峠(3980m)は肌寒いくらい。
今日の宿泊はリスム・リゾート。

 部屋にヒーターが利いていて暖かくほっとする。みんなで夕食。久保さんの紹介でJICAの研究員としてブータンに滞在している小森さんの話を聞く。氷河の専門家で話も面白く人柄も気さくでとてもよい感じ。今日はぐっすり寝られそうだ。

4月30日(土)


 今日から2日間は、観光組とトレッキング組に分かれて行動。私はトレッキング組。サガラ峠を越えてドゥゲ・ゾンへ下る1泊2日のコース。出発はジャンガハパン(2735m)から。暑いくらいの日差し。ゆっくりと歩く。お供は黒い犬。荷物を馬が運ぶのと放牧地のため糞がいっぱい。できたての糞さえ踏まなければいいとあきらめ、歩く。
お祖母さん登場。背中の鎌がすごい!

荷物を運ぶ

 ここも桜草が群生し、赤い石楠花がきれいだ。天気もよく汗ばむほど。途中の草原でお昼ご飯。おいしい。私たちが食べてからガイドさんやコックさんが食べる。全部食べなくてよかった。その後も、ゆっくりと進み午後1時にはテント場に。少し早め。予定より下の場所にテントを張ったのではとみんなが言っている。


少し休憩した後、チベット方向へ登ろうということになり有志出発。しかし私たちが道を間違え明日登るルートへ行ってしまった。もう少しもう少し言いながら登る。途中でテント発見。たぶんここがサガラパンだったんじゃないか。きりがないので夕食に間に合うよう降りることにする。
 夕食はマツタケソテーなど。おいしい。皆よく食べよく飲み元気だ。明日に備えてゆっくり休む。

5月1日(日)


 食事前に昨日行き損ねたチベット方向へ。ここも稜線上へなかなかでない。あきらめて下りる。朝食後出発。急な坂を登る。ようやく峠。なんと昨日あと少しのところまで来ていたのだった。曇っていたが少し雲が晴れ遠くまで山が見える。下りが結構長かったが、木の名前、花の名前を教えてもらいながら楽しく進む。予想以上に時間がかかり、林道に出る。わらびがいっぱい。木を切り出して担いでくる人がいる。すごい。ようやくゴール。暑いぐらい。
少し待って観光組と合流。ドゥゲゾンの見学へ。

ここで首にいたダニに指に食いつかれる。全然離れてくれない。ようやく取るが、全く困ったものだ。しかし、これがもっと問題になるとは。
 それから一路パロのホテルへ。道路脇の川岸に柳が生え、のんびりとした田舎の風景。落ち着いた色調の伝統様式の建物がきれいだ。実際に使いやすいかどうかは不明。パロのホテルは中心部から離れた小高い丘の上。かつて迎賓館として建てられたものだそうで、コテッジと普通の部屋。私たちは二戸一のコテッジへ。


素敵な部屋だがお湯があまりでない。シャワーを浴びてから、わき腹に食いついている虫に気づく。ダニだ。取ろうとするが取れない。ドライヤーの熱風を当てるが離れない。熱くてやめる。運よく隣がKさんだったので、大急ぎで隣を呼ぶとKさんにも同じように噛み付いていた。2人で大騒ぎをしながら取る。Kさんは研究者らしく屍骸をビニール袋に収集。
 大騒ぎの後、夕食。ビュッフェスタイルで焼きそばなどもあり、おいしい。またもビール。みんな、よく食べよく飲み元気である。

5月2日(月)


 今日はタクツァン寺院へお参り。ブータンで最も有名なお寺。途中の展望台まで登りは馬(ロバかも)で行ける。千円だそうで滅多に経験できないので馬にすればよかったかもと思う。大勢が登る。初めは小雨がほんの少し降っていたが、すぐに上がってだんだんよい天気になった。
赤い石楠花がきれいな道をゆっくり登る。

トレッキングから体調の悪かったK先輩がすぐにリタイヤ。バスの運転手さんと待つとのこと。
 昼食を食べる予定のレストハウスでトイレ休憩し、上へ。途中で道を間違え迷う。I先輩、Y先輩が偵察に行くがちっとも帰ってこない。20分ぐらい待ったあとで上のほうから声が。「正しいルートでないことはわかった」大笑いである。すぐに正常のルートに戻る。「あれっ先に行ってたんじゃなかったっけ?」と言われながら。ここからきつい登り。タクツァン僧院へ到着。ガイドさんが丁寧に説明してくれる。私は物見遊山気分だが、ブータンの人にとっては聖地。現に私たちの横で、息を直接仏様にかけないようにしながら一心に拝んでいる若者がいた。やや後ろめたい。標高が高い上に岩を削った場所にあるだけに中は寒いぐらい。
 下りは楽である。がしかし、おなかが空いた。ようやく2:00昼食。ビュッフェスタイル。じゃがいものチーズ煮がおいしい。また、ビールである。なんと元気なことか。みんなで記念撮影をしバスへ。ここからブータン最古の寺院キチュラン寺を経てティンプーへ。
ティンプーはパロとは違う谷にある。川沿いのくねくねした舗装道路を進む。川向こうは、木も生えていない山。ほとんど民家もない。予定より遅れ気味なので運転手はかなりスピードを出しているが、運転が上手で乗り心地はいい。1時間ほどでティンプーの町が見えてきた。建築途中のビルがやたらにある。パロでは見なかった紫の壁の家がある。せっかく同じような色できれいな町並みだったのに、とやや残念な気持ち。
 ようやくホテル到着。町中のこじんまりとしたホテル。

夕食はホテルでビュッフェスタイル。

5月3日(火)

6時前から散歩に出かける。ホテルの裏の時計台。

 地図を見ながらメインストリートを歩く。ほとんど人通りがない。テレビ局の上辺りは高級住宅街のようだ。1時間半歩いて戻る。食事は8時から。
女子高生

 今日は、市内観光。メモリアルチョルテン

、チャンガンガ・ラカン(子供寺)、動物園、伝統技芸院、民族博物館、織物センター、見学後、ブータンキッチンで昼食。素敵なインテリアのおしゃれなお店。例によってビュッフェスタイル。午後は製紙工房、で土産物屋で解散。
大きな松ぼっくり

町の八百屋さん

土産物を探すが、なかなか思うようなものがない。迷った末、クッションカバーを5枚買う。5時半に集合して国王政庁タシチョ・ゾンへ。

立派な建物。国王の住居が小さいのに驚く。
 夕食はオーキッド。素敵なお店で、初めてそばを使った料理と、モモが出る。ここで宴会。お酒は飲む、歌は出る、その後有志はホテルでバーを開けてもらって飲みなおしたそうだ。

5月4日(水)

 6時から食事で、7時出発。パロからコルカタ経由のはずがバンコク直行。予想外に早く着く。空港で解散式をし、私たちは仮眠のためホテルへ。少し休んだ後、食事。10時半出発で空港へ。

5月5日(木)


 1:00バンコク発で北京へ。入国手続き後リュックを忘れたことに気づく。無事手元に戻る。
タクシーでホテルへ。45分のって約105元(1400円)、日本人感覚だと安い。ホテルで荷物を預かってもらい、3階のJTBへ行き、現地ツアーの申し込みをする。6日、7日はガイド付きで出かけることにする。
翌日からの予定が決まったので、地下鉄で故宮へ行くことにする。地下鉄は市内2元である。入り口で機械に荷物を通す荷物検査があるが、安い。しかし猛烈に混んでいる。地下鉄の天安門東駅で降り故宮へ。大勢の人、広い、うるさい。どんどん前に進む。後ろの景山公園へ進み昼食。高級店だが英語もほとんど通じないのにはまいった。

北海公園

タクシーでい和園へ。迷路のような建物を歩き回る。

い和園から北京を望む。

帰りは地下鉄で天安門東駅で降り、天安門見学。入り口で荷物検査にひっかかり、かばんを開けられ細かくチェック。頭にくる。


そこから王府井まで歩く。大勢の人。信号無視。また歩いてホテルまで帰る。ほとほと疲れ、夕食も食べずに寝る。

5月6日(金)

 8:00出発で盧溝橋、周口店、八達嶺万里の長城へ。女性日本語ガイドさん、ドライバー、私たち4人なので気楽なものだ。
高速道路が通じ、郊外から北京の市内に通う人も多いそうだ。
盧溝橋

周口店

午後からは八達嶺万里の長城へ。今回の北京へ行きたかった目的の一つ。
人、人、人。どこでもいつでも止まる、写真を撮る。


帰りは雍和宮で降ろしてもらう。中国のチベット仏教のお寺。ここだけ別世界のように静かで落ち着いた雰囲気。


飲茶を食べ、慣れてきた地下鉄でホテルへ。夜は京劇鑑賞。

5月7日(土)

 8:00出発で金山嶺長城へ。一日ツアー。男性ガイドとドライバーと私たち。中国の事情などを聞きながら高速道路を郊外へ。
ここはロープウェーで長城まで登る。



昼食はお弁当

夕食は北京ダック。雑技見学。

5月8日(日)

 5時に朝食を食べ、6時出発。40分ほどで空港到着。日本へ。

感想

 ブータンと北京、団体旅行と個人旅行。どちらも大名旅行だったが、全く違う二つの旅行をした感じだ。ブータンは落ち着いた雰囲気の田舎だった。農業が主でまだまだ貧しく、食事も限られた食材。一方北京は、発展中の喧騒の街。人間の欲望が二つの国をどう変えていくのか興味がわいた。